新着 エリック・サーリン 1998年製
エリック・サーリン 1998年製
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:ロジャース
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 4.2mm
幼い頃から木工と同時にクラシックギターに強い関心を持っていた彼は、その二つの方向性をともに探求するかのようにワシントン大学で美術や彫刻を学び、カリフォルニア大学で音響学と物理学を学んでいます。そして在学中に製作マニュアル本を買い漁って独学で最初の一本となるギターを1975年に完成させます。大学卒業後の1977年には家具と楽器工房を立ち上げますが、数年後にはギター製作のみとなり、この時期より彼のギターは広く流通し始めます。1980年代初頭にはリュート奏者の友人の勧めでにリュート製作、そしてアコースティックギターの製作にも着手しましたが、1984年以降はクラシック/フラメンコギターのみの製作となり現在もスポケーンの工房で精力的に製作を行っています。
1980年代後半には彼の名声は確立され、現代アメリカを代表するクラシックギター製作家の一人とされている。その精緻を極めた木工技術と高級家具のような美しい仕上がり、あくまでプレイヤーの視点に立って追究された演奏性の高さとその独特の発想などにより、多くのプロギタリストにより愛用されている。スコット・テナント、アンドリュー・ヨークらロサンゼルスギターカルテットのメンバーによって使用されたことでも特に有名なブランド。
〔楽器情報〕
エリック・サーリン 1998年製中南米ローズウッド仕様のクラシックモデル。内部構造は左右対称の7本の扇状力木にボトム部のハの字型のクロージングバー、そして駒板真下位置のパッチ板というオーソドックスな配置。レゾナンスはGの少し上に設定されています。ローフレットからハイフレットまで全体に均質で明晰、透明感のある艶やかな音色で統一されており、現代的な機能性の高さがまずは特筆すべき点と言えるでしょう。しかしながら発音にはしっかりとした粘りがあり、しかるべくしっかりとしたタッチで弾かれることを要求するモデルです。その音量と反応はやはり素晴らしく、その洗練された表情とあいまってやはりつよい現代性を感じさせる音作りになっています。
ネックはこのブランドの機能的特徴として有名な、ひねられた形状(高音側と低音側とでボディへの差し込み角度を変える)をしており、これは演奏時に左手の手首の状態を最も無理のない姿勢に保つために工夫されたもので、設定には非常に高い技術を要するもの。ネックの形状はラウンド型の薄めのCシェイプで握り自体もコンパクトなものになっています。
しっかりと弾き込まれており、表板サウンドホール高音部分に弾き傷が多数あります。またブリッジ下に弦交換時についた傷が多くあり、その他全体に細かなスクラッチ傷がありますが、割れ等の修理履歴はありません。裏板の演奏時に胸が当たる部分には若干の塗装ムラが生じていますが現状で問題はありません。ネック裏は全体にわたり爪による傷があります。ネック反り、フレット等演奏性にか関わる部分には問題ございません。糸巻きはロジャース製を装着。