新着 ホセ・ヤコピ 1962年製

ホセ・ヤコピ 1962年製が入荷致しました。

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ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:ヤコピオリジナル
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 3.5mm

[製作家情報]
ホセ・ヤコピ(1916~2006)。スペインのビトリア生まれ。父親のガマリエル・ヤコピの工房に入り、18歳の時に最初のギターを製作しています。1949年には家族でアルゼンチンのブエノス・アイレスにほど近いサン・フェルナンドに移り住んで工房を開き、そこで生涯ギターを作り続けました。最初は父親と同様にアントニオ・デ・トーレスを規範とした伝統的なスペインギターを製作していましたが、移住する直前の1947年ごろから父親と共に発案した、通常とは逆方向に放射状に配置された扇状力木構造を採用するようになり、これがこのブランドの特徴となります。本国アルゼンチンではその需要の増大に対応するために工房品含め年間約300本のギターを出荷していた時期もありますが、最上位モデルはその1割ほどで、良質な材を使用して本人が製作しています。

非常に独特な音響と音色を備えており、中低音から低音にかけての重厚で柔らく、奥行きのある深い響きと引き締まって艶やかな高音との対比とバランスが素晴らしく、ポリフォニックな曲を演奏した時の立体感は他のギターでは味わえない魅力があります。また音色には南米的な澄んだ色気があり、これが古典と現代の両方の雰囲気を併せ持つことから、クラシック奏者からポピュラー音楽までの幅広いユーザーに愛されてきました。マリア・ルイサ・アニードやエドゥアルド・ファルーらが愛用し、また近年ではボサノヴァや南米音楽の愛好家にも絶大な支持を受けています。

[楽器情報]
ホセ・ヤコピ 1962年オールドの入荷です。同ブランドの特に人気の高い1960年代のもので、製作家本人のアーティスティックな感性が音響そして意匠に至るまで備わった一本。後に大量生産の時代に移る前までこのブランドの特徴となっていたボタニカルなデザインを彫り込んだヘッドプレート、真珠貝の形をしたツマミが印象的なオリジナル糸巻き、赤・緑・オレンジ・黒で構成されたロゼッタやパーフリング等の外観はもちろんのこと、あの独特の奥行きとニュアンスを持った中低音~低音の響きが大変に魅力的。基音は硬めできりっとした音像を保ちながら、そこに程よいエアー感を加味したような響きはヤコピならでは。

内部構造は胴底のフットブロックを起点とするようにして、サウンドホール方向に向かって扇を拡げてゆくように配された左右対称6本の扇状力木で、通常の扇状力木とは開く方向が逆になっているヤコピ特有の構造。センターのブックマッチ部分は力木ではなく14個の小さなパッチ板が貼られており、これもヤコピの常套的な加工。表面板を横切って配置されるバーはサウンドホール上下に一本ずつ、さらにネックヒール部近くに位置にも短いバーが一本設置されています。表面板と横板との接合部分に接着されるペオネス(木製の小型ブロック)は三角形タイプではなく、断面の形がちょうど椅子のような形状になったものを設置。レゾナンスはG#の少し上に設定されています。

表面板ボトム部付近に一箇所、裏板ネックヒール近くに一箇所割れ補修履歴ありますが、内側からのパッチ補強等適切な処置が施されており現状で使用に問題ございません。ネックは真直ぐを維持しており、フレットと指板は1~7Fでやや摩耗見られますが演奏性に影響なく継続で使用頂けます。弦の張りは中庸からやや強めといったところですがネックの差し込み角の設定からか押弦の感覚は1~12Fまでフラットな感触です。全体にラッカーでの再塗装が施されており、表面板ブリッジ下付近は一部塗装ムラ、その他全体に細かな塗装ひび割れ等生じていますがこちらも現状で修正等の必要はありません。

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