新着 マルセロ・バルベロ 1世 1952年製

マルセロ・バルベロ 1世 1952年製のフラメンコ ブランカ木製ペグ仕様が入荷致しました。

[詳細は画像をクリックしてご覧ください。]
※ただし販売済の楽器は該当ページが表示されませんのでご了承ください。

ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:表板:セラック/横裏板:セラック
糸 巻:木ペグ
弦 高:1弦  2.8 mm/6弦  3.0 mm

〔製作家情報〕
マルセロ・バルベロ1世(1904~1956)スペイン、マドリッド生まれ。トーレス~マヌエル・ラミレスの伝統が戦後のスペインギターへと継承されるその架け橋となった製作家であり、20世紀屈指の名工の一人。

ホセ・ラミレスII世が1925年にブエノスアイレスからスペインに戻ってラミレス1世の工房を引き継ぎますが、バルベロは職工の一人として同工房で製作をしていました。しかし1943年に同地の名工サントス・エルナンデスが亡くなった際、未亡人からの要請により彼の工房を引継ぎ、「ビウダ(未亡人の意味)・デ・サントス・エルナンデス」ラベルのギターを製作することになります。サントスの生前に製作上の直接的な関係はなかったバルベロですが、工房に保存してあった材料や型枠、作りかけの表面板、そして本人が使用していた工具や治具を用いて未亡人のアドバイスの下製作を進めるうち、サントスギターの音響的素晴らしさに深く感銘を受けるようになります。こうして彼はサントスの後継者となり、それ以降サントスの設計を基調とした楽器を製作します。その作風はしかしその後彼独自の発展を遂げ、自身独立してオリジナルラベル製作を始めることとなり、1950年代には名品の誉れ高い楽器を製作する充実した時期を迎えることになるものの、1956年に52歳の若さで他界してしまいます。彼の温かい人柄を慕い多くの製作家達が彼の工房を訪れていましたが、その後のマドリッドの最重要人物の一人となるアルカンヘル・フェルナンデスが彼との最後の2年間をともにし、名実ともに真の後継者としてこの工房を引き継ぐことになります。

〔楽器情報〕
1952年製作のフラメンコ ブランカ木製ペグ仕様が入荷致しました。大変貴重でかつ、この製作家のなかでも最も充実した製作期に当たる晩年の作品です。

表面板構造はバルベロの定型といえる配置で、サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)にそれぞれ1本ずつのハーモニックバー。そしてボディ下部は左右対称5本の扇状力木がセンターに寄り添うように配置され、それらをボトム部で2本のハの字型に設置されたクロージングバーがお互いにそして扇状力木の先端からも少し離れたところに設置されており、ブリッジ位置には駒板よりも若干小さなサイズのプレートが貼られているという全体の配置。板は薄く加工されており、レゾナンスはEの少し下というkなり低い位置で設定されています。

硬質で独特の粘りを持った発音と音響、各弦のバランス、凛とした単音と雑味のない上品な和音など、まさに真の名工の手による一本。
サントス・エルナンデスからその意匠を受け継ぎながらも自身の卓越したセンスにあふれるヘッドシェイプ、口輪のデザインともに格調高く名器に相応しい外観。ネック、フレットともに良好な状態で弦高値も適正、演奏性の高い状態が保持されています。割れ修理履歴がありますが適切な処理が施されていおり、使用には全く問題ございません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です