新着 黒澤 哲郎 2021年 フラメンコモデル

黒澤 哲郎 2021年製 フラメンコモデル が入荷しました。

[詳細は画像をクリックしてご覧ください。]
※ただし販売済の楽器は該当ページが表示されませんのでご了承ください。

ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.7mm/6弦 3.5mm

〔製作家情報〕
1976年茨城県生まれ。製作家の父黒澤澄雄氏の薫陶を受けると共に、東京都立工芸高等学校後ギター製作に携わり卒業。その後1997年にスペインへ渡り、テサーノス・ペレスの工房へ弟子入した他、アントニオ・マリン工房にて塗装技術を学んで帰国。マヌエル・ラミレスやヴィセンテ・カマチョなど規範としながら、スペインの伝統的なニュアンスを彼なりに消化した堅実な造りで製作を続けており、近年はフラメンコギタリスト沖仁とのコラボモデルも発表。現在はラティス構造によるクラシックモデルも製作するなど、幅広く展開している若手製作家である。

〔楽器情報〕
黒澤哲郎製作のフラメンコモデル 2021年製Usedが入荷いたしました。近年ではフラメンコギタリスト沖仁とのコラボレーションモデルを発表するなど、邦人製作家の中ではこのジャンルでの仕事が注目されていました。本作は哲郎氏のラインナップ中ではエントリーモデルにあたる一本。彼が最も影響を受けたであろうスペインのラミレス系マドリッド派の構造的コンセプトで作られています。それが顕著なのは内部の力木配置で、サウンドホールの上下(ネック側とブリッジ側)に一本ずつのハーモニックバー、下側のほうのバーの中央(ちょうどサウンドホールの真下の位置)から高音側横板に向かって斜めに下がってゆくように設置されたもう一本のいわゆるトレブルバーを設置。ボディ下部は扇状の力木配置ではなく4本の力木を表面板の木目に沿って等間隔に平行に配置(センターの一本を境にして高音側に1本、低音側に2本)。ブリッジ位置には駒板とほぼ同じ広さの薄いパッチ板が貼られ、4本の力木のうちセンターのすぐ隣(低音側)の1本はプレートの上下で分断しています。ボトム部はハの字型に配された2本のクロージングバーが4本の力木を受け止めるように配置。レゾナンスはF#~Gに設定されています。

マドリッド的な作風に傾倒していたいた彼らしく、太く明るい響きですが、例えばコンデ・エルマノスのような鋭利な迫力とは異なり、むしろ柔和で優しい音色が特徴です。ゆったりと奥行きを纏ったような軽い粘りをもった発音で、特に低音などは南米のギターをさえ思わせる「含み」を持った響きになっています。フラメンコとしての不可欠な反応性や音の分離など十全に備えながら、このブランド特有の心地よさを生んでいます。

表面板のゴルペ板高音側脇部分に5×1.5cmほどのエリアに集中して演奏時の爪傷がありますが、その他はほとんど無傷に近い良好な状態です。ネック、フレット、糸巻など演奏性に関わる部分は全く問題ありません。ネックは普通の厚みのDシェイプ。指板は20フレット仕様になっています。弦高は現在値で2.7(1弦)/3.6mm(6弦)とフラメンコとしてはやや高めですが、サドル調整余地が2.5mmほどありますのでさらに低く調整することは可能です。細かな弾き傷が全体に若干あります。全面セラックニスによるオリジナル仕様となっております。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です