茶位 幸秀 2017年製 No.50
茶位 幸秀 2017年製 No.50
指 板:エボニー
塗 装:カシュー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.7mm/6弦 3.5mm
[製作家情報]
1956年生まれ。長野県茅野市に工房を構える。ギター製作家の父 茶位幸男に技術を学び、完全手工によるスパニッシュスタイルの丁寧な造り、深く柔らかい響き、日本人の身体性にフィットした演奏性などで人気を維持しています。同じくギター製作家の茶位幸信は叔父にあたります。
[楽器情報]
茶位幸秀製作 No.50 2017年製Used ほぼ無傷に近く、新品同様と言ってよい1本です。このブランドらしい、材のセレクト、造作から音響バランスに至るまでクオリティに安定感があり、加えて弾きやすさと表現力においても日本人ならではの中庸さのなかに無理なく着地させた個体となっています。
内部構造はサウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)に一本のハーモニックバー、左右対称7本の扇状力木とそれらの先端をボディ下部で受け止めるようにハの字型に配置された2本のクロージングバー、駒板位置にはほぼ横幅いっぱいに薄い補強プレートが貼られているという全体の構造。レゾナンスはG#~Aの間で設定されています。7本の扇状力木はセンターから外側へだんだんと長さが短くなるように加工と配置がされており(これ自体は珍しくないのですが)センターの力木と比較して一番外側(高音側と低音側)のものはその半分以下にまで短くなっており、そのため7本の扇状力木がカバーする範囲がちょうど明確に菱形となるように設計されているのが特徴的。例えば彼のハイエンドモデルであるNo.80ではエルナンデス・イ・アグアドに準拠したような力木配置が採用されており、それぞれ明確にコンセプトを変えて製作しているのが分かります。ちなみにヘッドシェイプが名器フレタを踏襲したものとなっておりますが、内部構造的には連関はありません。
やや硬めの艶やかで整った音で、倍音が豊かに響き、そのため特にアルペジオや和音においてリヴァーブ感がありふくよかな拡がりがあります。タッチに関わらず表情が一定なのは賛否が分かれるところですが、もともと備わっている表情そのものが上品さを持っているので、弾くだけで曲に安定感が生まれます。箱がしっかりと鳴っているので体感的な音圧の高さも十分。弾いていてストレスのない一本です。
ほぼ無傷の状態で割れなどの修理履歴もありません。ネック、フレット、糸巻等の演奏性に関わる部分も問題ありません。ネックは普通の厚みのDシェイプ、フレットは高音側20フレット仕様となっています。弦高値は2.7/3.5㎜(1弦/6弦 12フレット)でやや低めの設定で弾きやすくなっています。サドル余剰は1.5~2.0㎜。糸巻はGotoh製を装着。
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