新着 ホセ・ルイス・ロマニリョス1世 1988年作

 

ホセ・ルイス・ロマニリョス1世 1988年作

ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:スローン
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 4.0mm

〔製作家情報〕
1932年スペイン マドリッド生まれ。
現代最高の製作家としてギタリストそして製作家達から崇敬を集めている、まさに巨匠中の巨匠と言える名工です。スパニッシュギターの伝統に深く立脚しながらも独特な審美センスにあふれた意匠と、極めて繊細で多彩な表現力を備えた彼のギターは、クラシックギターにおける至高の逸品としての評価を不動のものにしています。
10代の頃は同地の家具製作工房で働き、1956年にイギリスに移住。移住した当初は病院で働いていましたが、1961年に純粋にプライベート用として独学でギターを製作します。1969年には名手ジュリアン・ブリームの知己を得て、彼はロマニリョスの非凡な才能をすぐに見抜き、ウィルトシャー、セムリーにある自身の敷地内に工房を作らせて製作家として独立することをすすめます。所有していた数々の名器の中でも、ロマニリョス1973年製のギターは長年ブリームのお気に入りの一本となった事は良く知られています。彼はまた大変な碩学としても知られ、名著の誉れ高い「アントニオ・デ・トーレス」を上梓するなど執筆業でも高い評価を得ているほか、その知識を活かして後進の指導にも尽力。毎年シグエンサにてギター製作の講習会を息子のリアム、ゲルハルト・オルディゲスやステファン・リーズをアシスタントにして開催していたことは彼の教育熱心な面をよく物語っています(2001年の講習会には尾野薫、田邊雅啓、中野潤、佐久間悟が参加)。

ブランドは1991年より息子のリアムが共同作業に正式に加わり、ラベルもJose Luis Romanillos&Son に変更、現在に至っています。今年2020年には、彼の講習会のアシスタントを務めていたJosep Melo氏によりロマニリョス1993年以降の製作史を総括する大著「Romanillos Guitarras The Guijosa Period 1993~2015」が上梓され、現役最大の巨匠としていままた世界的に更なる評価の高まりを見せています。

〔楽器情報〕
ホセ・ルイス・ロマニリョス1世 1988年作、‘CHIRIMOYA’ No.681 です。トーレス=ハウザーを規範としながら実に様々な構造でギターを作り続けてきた彼にとって、彼自身の言葉にもあるように一つとして同じ楽器はないと言えますが、ここでは最も敬愛するトーレスを踏襲した造りとなっています。内部構造はサウンドホール上に2本、下に1本のハーモニックバー、その間にサウンドホール高音側と低音側に1本ずつの力木、そして計7本の扇状力木が左右対称に配され、それをボトム部で受け止める2本のクロージングバーという配置。扇状力木の高音側と低音側の両端のそれぞれ一本はサウンドホール下のバーをトンネル状に貫通しサウンドホール縁まで伸びています。レゾナンスはF#と低めの設定になっています。ヘッドシェイプもトーレスを踏襲したデザイン。

低めに設定されたレゾナンスゆえの重心の低い、どっしりとした質感のある豊かな低音がまずは素晴らしく、そこにしっかりと内声としての存在感を伝える立体的な中音部と、ロマニリョスならではの透明でしかし強靭な高音が重なり全体に実に魅力的な音響を実現しています。

ボディはオリジナルのセラックにニスで、年代考慮すると弾き傷や打痕等は少なく外観的にとても良好な状態。割れ等の大きな修理履歴はありません。ネック、フレット等演奏性に関わる部分も良好です。ネックシェイプはCラウンドタイプとDシェイプタイプの中間くらいの丸みのある形状で厚みも薄めなので日本人の手でもコンパクトに感じます。糸巻きはスローン製のものに交換されています。
モデル名は果物の「チェリモヤ」のこと。カールトンケース付属。

 

 

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