新着 パウリーノ・ベルナベ 2019年製 Especialモデル

 

パウリーノ・ベルナベ 2019年製 Especialモデル

ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ルブナー
弦 高:1弦 2.8mm/6弦 4.6mm 余剰:ほぼ無し

〔製作家情報〕
パウリーノ・ベルナベ1世(1932~2007)スペイン、マドリッドの製作家。自身も演奏を能くし、タレガの高弟ダニエル・フォルテアにギター演奏を師事していたのは有名な話。製作家としてはホセ・ラミレス3世の厚い信頼のもと、同工房にて1950年代から1960年代にかけて職工長を務め、この巨大ブランドの黄金期を支えた最重要人物の一人として、まずはギター製作史にその名を残す存在となりました。その後1969年に独立してからは伝統的な製法に則りながらも独自のメソッドによる個性的なギターを作り続け、1974年にドイツ、ミュンヘンで開催された国際クラフト博覧会で金メダルを受賞。そして往年のギターファンにとってはなんと言っても忘れ難い、ナルシソ・イエペスが愛用することになる有名な10弦ギターを製作することになります。2007年に惜しくも亡くなりましたが、現在2世がブランドを引き継いでおり、スペイン、マドリッドを代表するブランドの一つとして高い評価を得ています。

〔楽器情報〕
パウリーノ・ベルナベ Especialモデル 2019年 表面板杉仕様の中古が入荷致しました。
ベルナベは2000年前後から上位機種でも4種類以上のモデルをカタログ化しており(現在はConcierto、Especial、Torres、Imperial、Royaの5種)、それぞれ使用材のグレードなどによってランク分けされていますが、当モデルはちょうどその中間に位置するモデルとなります。そのこともあり最も円満にベルナベ的要素を備えたバランスの良いモデルとして、同ブランドの人気機種となっていました。

以前のEspecialモデルと比較すると本作では板はより薄く加工され、全体も軽量化しており、更に塗装も若干薄めの仕上げとなっています。そのためかフラメンコ的ともいえるようなヴィヴィッドで迫力のある響きがまずは素晴らしく、やや乾いた音色ですがそこにマドリッド的な要素と杉材による相乗効果とで適度な色彩感が備わっています。やや大柄なボディですが弦の張りは中庸で、ネックはかなり薄めのCシェイプタイプのため左手の感触は非常にコンパクトに感じます。レゾナンスもまたかなり低く、Eに設定されています。

内部構造はサウンドホール上下のハーモニックバー、そしてサウンドホールの丁度真下の位置から高音側と低音側の横板に向けて1本ずつ斜めに伸びる力木がちょうどハの字型になるように設置、ボトム部にもハノ字型のクロージングバーが設置され、表面板中心部分を菱形に囲むような形になっています。その菱形になったスペースの中心に表面板の木目に沿うように平行に設置された3本の力木とブリッジ位置に貼られたプレートという独特な力木構造で、これはベルナベ1世のEspecial モデルを忠実に踏襲しています。横板は内側にシープレスを貼り付けた二重仕様でこれはホセ・ラミレス3世が長く標準仕様としていたものに依拠していると思われます。

表面板サウンドホール周辺とブリッジ下に細かな傷があります。割れ等の修理履歴はありません。ネック、フレット等の演奏性に関わる部分も問題ございません。フレットやや摩耗ありますが演奏には支障ありません。糸巻きはルブナー製を装着。スペイン製ハードケース付属(出荷時に付属していたものですが、ブランドマーク(PB)は刻印されておりません)。

 

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