新着 野辺 正二 1968年製

 

野辺 正二 1968年製が入荷しました。

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ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:表面板:セラック、横裏板:ポリウレタン
糸 巻:ヘフナー
弦 高:1弦 4.0mm/6弦 4.5mm

〔製作家情報〕
1935年生まれ。東京の指物職人であった父野辺幾衛がその技術を生かしギターの修理をする事から野辺ギター工房は始まります。1965年に独立し自身の工房をスタート。江戸指物師の流れを汲む家系らしく良質な木材の選定と高い工作技術、意匠のセンスと味わい深い外観の仕上がりなどが特徴です。音色もそのたたずまい同様に渋く滋味深いもので、スペインギターを基本としながらも華やかさとは一線を画した、まさにいぶし銀のような味わいを持ったものとして他にはない個性を持っています。

同様にギターを製作した野辺邦治は兄にあたります。生涯現役で良質なギターを製作し続けましたが、2004年に死去。現在は息子の野辺雅史氏が父の工房を引継ぎ、彼の残した工具やストック材を使用してブランドを存続しています。またもう一人の息子野辺成一氏も独立して自身の工房を立ち上げ、クラシックギター製作のほか古楽器の修理やアンティーク家具の販売をおこなうショップを経営しています。

〔楽器情報〕
野辺正二1968年製オールドの入荷です。 横裏板に良質な中南米産ローズウッドを使用した、当時このブランドのハイスペックモデルとして販売されたもの。マルセロ・バルベロを想起させるヘッドシェイプを始めとする全体のアンティーク家具のような滋味深く落ち着いた外観も野辺氏ならでは。そして松材ながらも太めのどっしりとした響きとまろやかな音像も既にこの時から特徴的に表れており、660mmスケール仕様ということで適度な張りが加味され、迫力ある響きが魅力の一本となっています。

内部構造はサウンドホール上下に一本ずつのハーモニックバーが配置され、そのうち下側のバーの中央(ちょうどサウンドホール真下の位置)から高音側に斜めに伸びてゆくもう一本のバー、そして7本の扇状力木と、駒板の位置にほぼ横幅いっぱいに渡って設置されたいわゆるトランスヴァースバーという全体の配置で、7本の扇状力木はトランスヴァースバーを貫通しボディボトム部まで伸びており、それらの先端を受け止めるように配置されるトーレス的なハの字型クロージングバーは設置されていません。これはフランスの名工ロベール・ブーシェの構造を思わせるところがあり、スペイン的な要素とうまく合わせて全体を配置しています。レゾナンスはGに設定。

全体に弾き傷(特に表面板サウンドホール周辺)、細かな打痕、スクラッチ跡等あります。また表面板は駒板の高音側に数センチの割れ補修履歴がありますが、適切な処置が施されており、使用には全く問題ございません。ネックはほんのわずかに順反りですが標準的な状態、フレットは1~5Fでやや摩耗が見られますがこちらも現状で演奏上の問題はございません。ネックは普通の厚みのDシェイプ加工で指板にはほんの少しラウンド加工が施され自然な握り心地。糸巻きはオリジナルのヘフナー製39mmピッチを装着、3弦のツマミがやや曲がった状態ですがギア部分は正常に作動しており、使用には問題ございません。

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