新着 ケヴィン・アラム 2002年製 トーレスモデル

ケヴィン・アラム 2002年製 トーレスモデルが入荷致しました。

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※ただし販売済の楽器は該当ページが表示されませんのでご了承ください。

ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:表板:松 /横裏板:ローズウッド
糸 巻:ロジャース
弦 高:1弦:3.0 mm/6弦:4.2mm

〔製作家情報〕
1949年イギリス生まれ。もともとギターの修理や復元の職人としてスタートし、M.ラミレス、D.エステソ、ハウザー1世からアルカンヘル・フェルナンデス、J.L.ロマニリョスまでに至る銘器の数々の構造を実際に検分する機会を得たことが、後の彼の製作美学に大きく影響したことは推測してあまりあるところでしょう。1991年に現在のイギリス、ノース・デヴォンに工房を移してからは、トーレスとハウザーモデルに限定して製作。それから現在までの彼のギターはオイルフィニッシュ仕様となっており、木材の質感をなまなましく感じさせるとともに、薄い塗装ならではの木質感あふれる渋い響きが特徴。華美とは無縁の音色ながら、自らのギターはその音楽的表現力においてこそ特徴づけられるものだと言い切るその音響は、余計な要素をそぎ落とし、弾き手の指との完全なシンクロを目指しているかのような、厳しささえ感じさせる素晴らしいものとなっています。
またジュリアン・ブリーム愛用のギターとしても有名。この楽器製作での新たな才能を発掘することにおいても慧眼を発揮した稀代の名手が、1980年代後半に製作されたアラムのギターを2本、コンサートやレコーディングで使用したことは有名な話。

〔楽器情報〕
ケヴィン・アラム トーレスモデル‛SYLVETTE’2002年製中古が入荷致しました。この製作家が自家薬籠中とするトーレス。そのトータルな完成度の高さはもとより、オリジナルのエッセンスをアラム独自の感性と深い見識により抽出し、そこにぎりぎりの現代性をまとわせたような、達意のトーレスモデルとなっています。トーレス独特の音響指向性、雑味のない木質の響き、豊に歌う粒立ちの良い単音、そして迫力というのとはまた異なる凛とした力強さなどが十全に、そして円満に備わっており、また音楽的ニュアンスも豊かな一本になっています。

内部構造はサウンドホール上に2本、下に1本のハーモニックバーが設置され、ボディ下部くびれ部より下側は左右対称7本の扇状力木がまんべんなく配され、それら7本全ての先端をボトム部で受けとめる2本のクロージングバーという全体の配置。レゾナンスはF#の少し上に設定されています。

この製作家が長年通常スペックとしてきた薄いオイルフィニッシュで横裏板を、そして質感的に違和感のない、やはり薄く仕上げれたセラック塗装にて表面板を仕上げおり、音の印象そのままにこちらも全体に凛とした外観。それぞれの使用材も製作家のこだわりが感じられる良質なもので、横裏板は見た目にも野趣を感じさせる美しいインディアンローズ。加えて茶とベージュを基調としたロゼッタやパーフリング等の意匠は繊細で洒脱な雰囲気を加味してしています。やや小柄なボディ、フラットなDシェイプ加工が施されたネックシェイプに中庸の弦のテンション感など、抱えた時の印象はとてもコンパクトで演奏しやすい感覚。女性の方にもおすすめしたいモデルです。

割れ等の修理履歴はありませんが表面板全体に年代相応レベルの弾き傷や打痕等があります。ネックはほんの若干の順反り見られますが恐らく初期出荷時のレベル、フレットは摩耗なく適切な高さを維持しています。糸巻きは高級ブランドRodgersのものを装着、こちらも動作状況問題ございません。

アラム氏は自ら製作した全てのギターに個別に名前を付けていますが、本作は‛SYLVETTE’の名がラベルに記されております(ピカソ後期の有名な作品のモデルとなった同名の女性と関係があるかどうかは不明です)。

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