新着 ワルタル・ヴェレート 2018年製

ワルタル・ヴェレート 2018年製の美品が入荷しました。

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ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラックニス
糸 巻:シェラー
弦 高:1弦 2.0mm/6弦 3.1mm

[製作家情報]
1958年 ベルギー、リールに生まれる。ベルギーがクラシックギター製作の文化的基礎を作り上げるきっかけとなった製作家であり、現在も同国を代表する製作家としてヨーロッパを中心に国際的な人気を博している。演奏や作曲などでプロフェッショナルの音楽家を何人も輩出してきた家系に生まれ、彼自身も音楽への深い愛情を常に抱いてきましたが、建築、家具製作、木彫などのすぐれた木工技術を持っていた彼はまずはこの方面での教育者としての職に就きます。その技術と音楽への愛情がやがて彼を楽器製作へと向かわせ、1985年に最初のギターを製作。ブーシェやフレタなどの名器をを実地に検分しながらほぼ独学で製作を習得していきましたが、ホセ・ルイス・ロマニリョスやダニエル・フレドリッシュとの交流、さらにはグラナダ在住のドイツ人製作家ロルフ・アイヒンガーの知己を得て、同地にてスペインの伝統工法についてより深く学んでいます。もともと持っていた高い木工技術もあり、当初より非常に優れたギターを製作していた彼は後進の指導と自らの研究成果の共有などを目的にアントワープ州プールスにある楽器製作学校(CMB)で1988年から現在に至るまで教鞭を取っています。また地球環境への意識から、ギター製作に有効なサステナブル材の研究と実践をLeonardo Guitar Reserch Project(LGRP)の活動を通して行っています。

彼のギターは伝統への敬意と現代への柔軟な姿勢が良い形で融合し、明朗でくっきりとした音響、音色の多彩、音量のダイナミクス、そして表情の変化における俊敏な反応性などが特徴で、現代のコンサートギタリストのニーズにも十分に応えるものとして高い評価を得ています。また木工のスペシャリストでありLGRPでの木材研究活動も旺盛に行っている彼は材の選定にも極めて厳しい目を持っており、外観よりもむしろいかに良く響くかを主眼としたセレクトを行っており、この点でも慧眼すべきブランドとなっている。現在はアントワープのケッセルの工房で製作。

[楽器情報]
ワルタル・ヴェレート 2018年製作 Used美品が入荷致しました。表面板の力木を格子状に配置したいわゆるLattice Bracing 構造を採用したモデルで、彼の現在のラインナップではトラディショナルな扇状配置(トーレス的な伝統を踏襲したもの)と並んで重要なアイテムとして人気と高い評価を得ています。Lattice というとまずはグレッグ・スモールマンに代表されるオーストラリア派ギターの特徴である大音量、俊敏な反応性、発音の均質性などが思い浮かぶところですが、ヴェレートはギターにとっての「難点」とされてきた部分を完全に克服したこれらの機能性の高さについてはある程度の評価を与えつつも、そこには伝統的なギターが持っている「色彩」が欠如していると考えました。そしてあくまで表現楽器としてのギターを優先し、そこにコンサートギターの機能性を備えたモデルとして、彼は独自の方法でLatticeを採用し、音色楽器としてのトータルクオリティを全く損なわず見事なLattice ギターを作りあげています。

内部構造はサウンドホール上側に2本、下側に1本のハーモニックバー(低音側から高音側に向かってややボトム方向に傾斜して設置している)、そして9本+9本の力木が互いに直角に交差して格子状となって表面板の下部全体をまんべんなく覆うように配置。力木は幅と高さが3㎜ほどの繊細な加工で、表面板は全体に通常の厚み(2mm前後)に加工、表面板上部の補強も上記のようにオーソドックスなもので(オーストラリア派のギターは表面板下部を極限まで薄くし、上部は板も厚くしたうえでがっしりとした強固な柱を複雑に配置して補強している)、さらに表面板と横板との接合部に設置されるのはこれも伝統的な三角型のペオネス(木製の補強用ブロック)となっており、Latticeの特性をそのままスペインの伝統工法の上に落とし込んだような構造で着地させています。レゾナンスはGの少し上の設定。

しっかりと奏者のタッチに寄り添うような反応性が心地よく、弱音から強音までのダイナミズムも申し分ありません。この自然にドライブしてゆく感覚はモダンギターならではですが、ヴェレートはここで上品な表情を全体に加味し、慎ましくそして美しい音響の創出するのに成功しています。また彼のこだわりである演奏性の高さも十全に備わっており、かなり薄めのCシェイプに加工されたネックはとてもコンパクトで、弦の張りも中庸なので左手は押さえやすく、また右手は上記のように発音にストレスがないので両手共に無駄な力を入れずにしっかりと音を出せる感覚があります。
また木材の選定や外観の仕上がりにも強いこだわりを見せるこのブランドだけに、その全体の佇まいはやはり慎ましくも非常に上品で美しい。特筆すべきはロゼッタの造作で、濃いブラウンとベージュを基調として極めて繊細、精緻な細工による仕上げ、全体の気品に寄与しています。オーストラリア派のギターにおいては横裏板の厚い加工などにより2Kgを超えるような重量級のものがほとんどですが、ヴェレートのギターは板全体の加工も伝統的なスタイルで作りあげており、そしてこれも繊細極まりないセラック塗装仕上げで、やや軽めの1.50Kgとなっています。

表面板サウンドホール高音側と指板脇に少し弾き傷あり、またブリッジ下1弦側には弦とび補修跡がありますがその他はとてもきれいな状態。ネックはほんのわずかに順反りですが演奏性に影響のない程度のもので現状でお使いいただけます。フレット、糸巻(シェラー製)ともに問題ありません。

ベルギーの巨匠によるモダンギターへの一つの究極の解答ともいえる秀逸な一本。貴重なUsedでの入荷です。

 

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