新着 クリストファー・ディーン 1990年製 オリジナルモデル

クリストファー・ディーン 1990年製 オリジナルモデルが入荷しました。

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ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:スローン
弦 高:1弦 2.8 mm/6弦 3.8 mm

[製作家情報]
1958年生まれ。イギリス、オックスフォードに工房を構える。10代の頃よりギターを演奏していましたが17歳の時にプレゼントされたIrving Sloane のギター製作マニュアルを読んだことをきっかけに製作への興味を持ち始めます。1979年には有名なLondon College of Furnitureに入学し3年間楽器製作についての基礎を学びます(同校はゲイリー・サウスウェル、マイケル・ジーらの出身校でもあります)。ここでのカリキュラムにはホセ・ルイス・ロマニリョスやポール・フィッシャーの工房での実地研究も含まれていたことがきっかけになり、卒業後1年間ニュージーランドで家具製作に従事したのちに1982年フィッシャーの工房に職人として入ります。ディーン自身はフィッシャーのことを師として尊敬し実際に多くを学んでゆきましたが、フィッシャーはこの青年の成熟した感性と技術をすぐに見抜き、わずか3か月の「研修期間」のあとすぐに正式な職工としてフィッシャーラベルのギター製作を託すことになります。ここで充実した3年間を過ごした後に独立し自身の工房を設立、現在に至ります。

その作風は師であるフィッシャーや、さらにさかのぼってデヴィッド・ルビオをも想起させる堂々たる外観とたっぷりと濃密な艶を含んだ音色、力強い響きなどが挙げられますが、そうした彼の出自に直接つながるラインとは別にフランスのフレドリッシュ、トーレス、ハウザーからも多くのインスピレーションを得ており、とりわけサントス・エルナンデスの影響を受けています。1929年製のサントスギターを修繕する機会を得た彼は実地にオリジナルの構造を研究し、その後すぐれたサントスモデルを発表。憧れてやまないと公言する伝説的ギタリスト アンドレス・セゴビアへのオマージュさえも含んだすぐれたモデルとして高い評価を得ています。

[楽器情報]
クリストファー・ディーン製作オリジナルモデル 1990年製 No.122 Usedの入荷です。1985年に工房を立ち上げた彼にとっていわばキャリア初期のモデル、その仕上がりには多分にフィッシャー的なものを感じさせる実に重厚な趣きがあります。音は太く艶やかで、クリスタルなともいえるような硬質さがあり、凛とした表情。また右手のタッチにまとわりついてくるような独特の発音感があり、これがなかなか心地良い。硬めの濃厚な音像という点においてはホセ・ラミレスを想起させる部分もありますが、クリストファーのそれはあくまでもストイック。

力木配置ではスパニッシュギターの影響を如実に感じさせるもので、サウンドホール上側に2本、下側に1本のハーモニックバーともう一本のトレブルバー(低音側から高音側に向かってボトム方向に斜めに下がってゆくようにして設置されたバー、ここではハーモニックバーのやや低音寄りの部分を起点として高音側横板に向かって伸びています)、そしてこの上下バーの間、サウンドホール高音側と低音側とにそれぞれ各一本の短い力木がちょうど横板のカーブに沿うようにして設置されています。ボディ下部は計6本の扇状力木がセンターの一本を中心にして高音側に2本、低音側に3本を配置、ボトム部にはそれらの先端を受け止める2本のハの字型に配されたクロージングバー、駒板位置にはパッチ板が貼ってあるという全体の表面板構造。表面板と横板との接点にはペオネスではなくライニング板が設置されています。レゾナンスはAの少し下に設定。

現在ではほぼすべてのギターをセラックニス仕様にしている彼ですが本作では厚みのあるラッカー塗装。湿度変化によると思われるウェザーチェックが表面板全体に見られ、また横板の一部ではほんの少し白色変化を生じていますが現状で継続使用に問題はありません。その他は弾き傷等ありますが年代の割には少なめです。ネックは真っ直ぐを維持しており、フレットは1~7フレットでわずかに摩耗ありますが演奏性には影響ありません。ネック形状は普通の厚みのDシェイプ。指板は20フレット仕様。

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