新着 久保津奈夫 2016年製 トーレスモデル

久保津奈夫 2016年製 トーレスモデルの入荷です。

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※ただし販売済の楽器は該当ページが表示されませんのでご了承ください。

ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:表板:松 /横裏板:ローズウッド
糸 巻:スローン
弦 高:1弦 3.2mm/6弦 3.4mm

〔製作家情報〕
高校時代よりギターの演奏に親しむ。20歳の時ギター製作家を志し、池袋の工房にて野上三郎氏に師事。その後1979年に独立、アントニオ・マリンの弟子のアルベルト・ネジメ・オーノ(禰寝考次郎)氏より製作上の貴重なアドバイスを得て、郷里長野にて製作を開始しました。以後も理想の楽器を求め、世界中の名器を研究し続けています。その積年の研鑽は、スパニッシュギターの伝統をその土台としながら、製作家独自の世界観を感じさせる、滋味豊かな音色と、それをそのまま姿にしたような繊細で渋い外観を備えたギターとして結実。現在年間製作本数は3本前後という寡作家。

〔楽器情報〕
久保津奈夫 製作トーレスモデル 2016年製Usedの入荷です。
まず特筆すべきは外観の優婉とさえいえる美しいたたずまい。製作家独自の調合によるセラック塗装は飴色の上品な艶で全体を纏い、ロゼッタ、ヘッド、裏板のセンターにはおそらくは小麦の穂をモチーフにした実に洒落たデザインのインレイが施され、さらにはまるで古い洋書の装画のようなサウンドホールラベルなど、すみずみまで趣味の良さがゆきわたりながら、それぞれの細部が主張しすぎない慎ましさが素晴らしい。音は十分な力強さと歌の豊かさを備えていますがやはり決して華美になりすぎず、温かみのある渋めな音色。現代のコンサートギター的機動性とは趣を異にした、ギターそのもののあるべき響きを追求したモデルとなっています。

トーレスモデルとなっていますが、実際には上記のような細部の意匠からヘッドシェイプ、さらには内部構造までもが製作家独自の非常に個性的な発想によって作られており、完全にオリジナルモデルといってもよい1本。内部構造はサウンドホール上下に一本ずつのハーモニックバーを配し、下側のほうのバーには高音側と低音側とにそれぞれ大小1つずつ、合計4か所に開口部が設けられています。扇状力木は左右対称7本が設置されているのですが、高音側と低音側の一番横板に隣接している2本ずつの計4本が上記ハーモニックバーに設けられた大きいほうの開口部をくぐり抜けてサウンドホール横で屈折し(表面板木目と同じ方向になり)サウンドホール上側のハーモニックバーまで伸びています。また扇状力木のうちセンターのすぐ両隣の計2本は、やはり同様に下側ハーモニックバーに設けられた小さいほうの開口部をくぐり抜けサウンドホール縁まで達しています。さらにそれらの扇状力木の先端は高音側のみを一本のクロージングバーがボトム部で受け止めるように設置されており、確かにトーレス的な配置関係を想起させながらも(同時にホセ・ルイス・ロマニリョス的なものも感じさせながらも)、久保氏は大胆な改編を施し、非常な工作精度により仕上げています。レゾナンスはG#の少し下に設定されています。

ネック形状はUシェイプタイプ。指板1弦側は20F仕様。糸巻きはスローン製を装着しています。表面板は浅く細かなスクラッチあとが全体に見られますが外観を損なう程ではありません。横裏板も衣服の摩擦あと等若干ありますがかなりきれいな状態を維持しています。割れなどの大きな修理履歴はありません。ネックは真っすぐを維持しています。フレットは1~3フレットでやや摩耗していますが現状で演奏性、音に影響なくご使用いただけます。

一本一本に異なる個性が刻印される稀有なブランドの、貴重で珍しいUsedです。

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