新着 パコ・サンチャゴ・マリン 1999年製

パコ・サンチャゴ・マリン 1999年製が入荷致しました。

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※ただし販売済の楽器は該当ページが表示されませんのでご了承ください。

ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラックニス
糸 巻:GOTOH
弦 高:1弦 3.8 mm/6弦 3.2 mm

〔製作家情報〕
Francisco(Paco)Santiago Marin 1946年スぺイン、グラナダ生まれ。家具職人であった父親のFrancisco Santiago Olivaのもとで12歳から修業を始め、並行して1963年からは叔父のアントニオ・マリンの工房でギター製作技術を学びます。父親のもとでは家具職人としての仕事にのみ従事していましたが、これを機にギター職人として身を立てることを決意し,10年もの歳月を修行と研究に費やし1973年に独立、同地グラナダに工房を構え、現在は息子のルイス・サンチャゴ・エルナンデス(1969~)と一緒に製作しています。外観的、音響的にもアントニオ・マリンの影響を色濃く受けていますが、自身がもっとも規範とするところはアントニオ・デ・トーレスのギターであり、グラナダ伝統のギターであるとのこと。生々しい木質のヴィヴィッドな響きと豊かな音量はいかにもグラナダスクール的ですが、色彩を抑えた音色は渋く、どこか翳を含んだ表情はヨーロッパ的とも言え、これがこのブランドの特徴ともなっています。

1985年グラナダ、1993年のハエン、1995年のバルセロナの3つの国際ギター製作コンクールで第1位となっており、国際的な評価も非常に高い。多くのギタリストにも愛用されており、レオ・ブローウェル、デビッド・ラッセル、マリア・エステル・グスマン、コンラド・ラゴスニックらのベテランに加え、リカルド・ガレン、ホセ・アントニオ・エスコバール等の表現力豊かな俊秀たちが彼の楽器を使用しているのは注目に値します。

〔楽器情報〕
パコ・サンチャゴ・マリン 1999年製 Usedの入荷です。来年2023年で工房設立から50年を迎える大ベテランの、そのキャリアのちょうど中間地点に製作された1本ですが、現在に続くその個性的な音響キャラクターや造作の精緻さはすでに完成されていたことがうかがえます。

内部構造はサウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ボトム側)に1本のハーモニックバー、さらに高音側と低温側にも1本ずつ短く細いバーが設置されており、ボディ下部は左右対称5本の扇状力木がまんべんなく配され(クロージングバーはなく先端はボトム部まで伸びています)、ブリッジ位置にはほぼ横幅いっぱいに薄いプレートが貼られています。レゾナンスはG#の少し下に設定されています。

師であり叔父であるアントニオ・マリンと並びグラナダスクールを代表するブランドとして、まずは特徴的なヴィヴィッドな発音と音量の豊かさは言わずもがな、しかし華やかさよりもどこか翳を含んだ音色はパコ・マリンならではの魅力でしょう。やや矛盾した表現をすると、色としてはモノトーンの渋さを持ちながらしかし表情は多様に変化する特性を持っており、それがクラシカルな表現にもよく親和しています。

外観はアントニオ・マリンにやはり通ずるところがあり、松と中南米ローズウッドとのコントラストと自然に融和するような洒脱なロゼッタデザイン、さりげないアクセントとしてのパーフリングや裏板ブックマッチ部分の意匠などはやはり味わい深く、そして薄く繊細に施されたセラックニスが全体を気品あるたたずまいに仕上げており、まさに工芸品といえるレベル。しっかりと弾き込まれており特に表面板には多数の細かな弾き傷や打痕があり、ブリッジ下1弦側には弦飛びあと、裏板は衣服の摩擦あとなどが見られますが割れ等の大きな修理履歴はありません。ネックはほんのわずかに順反りですが演奏性には影響のないレベル。フレットは適正を保持しており、糸巻の機能性も問題ありません。ネック形状は普通の厚みのDシェイプ。サドルは現状で2.0~2.5mmの余剰があり、弦高はより低めの設定が可能です。重量は1.52㎏。

 

 

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