新着 尾野 薫 2022年製 オリジナルモデル

尾野 薫 2022年製 オリジナルモデルが入荷しました。

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※ただし販売済の楽器は該当ページが表示されませんのでご了承ください。

ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラックニス
糸 巻:スローン
弦 高:1弦 2.8 mm/6弦3.8 mm

[製作家情報]
1953年生まれ。中学生の頃からギターを弾き始め、大学の木材工芸科在学中その知識を活かして趣味でギター製作を開始。1980年にグラナダの巨匠アントニオ・マリンの弟子であるアルベルト・ネジメ・オーノ(禰寝孝次郎)氏にスペインの伝統的な工法を学び、本格的なギター製作の道を進むことになります。その後も伝統的な製作技法にこだわり、2001年にはスペインで名工ホセ・ルイス・ロマニリョスが主宰する製作講習会にも参加。またアントニオ・マリンからも製作技術についての指導を受け、さらには来日したアルカンヘル・フェルナンデスにも製作上の貴重なアドヴァイスと激励を受けています。

尾野氏の特徴は何といってもその独自の科学的な考察に基づいた極めて理論的なスペイン伝統工法の解析と自身の楽器製作における実践であり、楽器個体それぞれの最良の鳴りを追求した結果のその透徹した見事な音響バランス、そして雑味の無い透明な美しい響きにあります。そして音響だけでなく細部にまで行き渡った精緻な造作と繊細な塗装による外観の気品はやはり比類なく、トータルクオリティにおいて現在国内最高峰と言える完成度をもった楽器を製作しています。年間製作本数は約10本程。2020年にはフランスの出版社Camino Verde刊 Orfeo Magazine No.15で彼のインタビューと楽器が紹介されました。


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〔楽器情報〕
尾野薫製作のオリジナルモデル 2022年新作 No.335の入荷です。
トーレス、ハウザー、ロマニリョスの構造原理、音響のシステムを長年研究し、その上での自身の製作哲学の一つの帰結として製作された、極めて高密度なモデルとなっています。

内部構造はサウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)に1本のハーモニックバーを配し、下側のバーは高音側と低音側にそれぞれ5㎝程の開口部が設けられています。扇状力木は左右対称7本を配置し、そのうち一番横板に近接した各2本の合計4本はサウンドホール下のハーモニックバー開口部を潜り抜けてサウンドホール縁に貼られた補強板まで到達しています。さらにサウンドホール両脇には横板のカーブに沿うようにそれぞれ一本の短い力木、ボトム部分は7本の扇状力木の先端を受け止めるハの字型2本のクロージングバー、ブリッジの真下の位置にはほぼ駒板と同じ大きさのパッチ板が貼られています。表面板と横板の接合部に設置されるペオネス(三角型の木製ブロック)は通常間隔を開けずに設置されるところ、ここでは大小のものを交互に接着。レゾナンスはF#~Gとこれまでの同モデルより若干低めの設定。

繊細できりっとした高音からしっかりとした重心感覚で響く重厚な低音まで、全体のその自然なバランスは鍵盤的といえるほどに見事なもので、しかも非常に表情豊か。そしてやや薄めに加工された板と上記のようなペオネス配置等の効果からか、発音にはストレスが無く、全体に適度に木の感触を纏わせた響きが魅力的。そして最弱音PPからFFの非常な迫力までタッチに応じて十全に湧出するそのダイナミクス、明暗のニュアンスも素晴らしい。あくまで上品なその響きは西洋クラシック音楽との親和性が高く、まさしく尾野氏ならではの音響となっています。

もちろん造作の精緻さと完成の細やかさはここでも十全に表れており、その気品ある外観もまたセラック塗装の美しい質感と相まって非常な魅力となっています。ネックは角の取れたDシェイプタイプで普通の厚みに加工されており、握りやすく、弦の張りも中庸なので全体に高い演奏性を備えたモデルとなっています。糸巻はスローン製(スネイクウッドつまみ)を装着。重量は1.60㎏。

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