アンヘル・ベニート・アグアド 2013年 トーレスモデル

アンヘル・ベニート・アグアド 2013年 トーレスモデル

ネック:マホガニー
指 板:黒檀
塗 装:セラックニス
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 2.8mm /6弦 3.5mm

[製作家情報]
1949年スペイン、マドリッド生まれ。最初は家具職人として身を立てていましたが、20代半ばにはギター製作家に転身。スペイン古楽演奏の名手ホセ・ミゲル・モレーノとのコラボレーションは彼のキャリアにおいて極めて重要な位置を占めており、ビウエラ、リュート、テオルボやバロックギターなどの古楽器への知見を深めるとともに、トーレス以降現代にまで続くスペインギターの伝統を跡付けるように製作を展開してゆきます。特にトーレスへの傾倒を明らかにしながらも、完全なレプリカではなく自身の研究と音響嗜好と盛り込んだ彼のギターはトラディショナルな響きを愛好するギタリスト達の支持を集めています。

[楽器情報]
アンヘル・ベニート・アグアド製作のトーレスモデル 2013年Used です。オリジナルトーレスの中でもとりわけ豪奢な意匠として知られるダイヤモンドロゼッタをあしらったモデルで、内部構造からボディデザインに至るまでオリジナルに準拠して製作したモデル。上記のロゼッタのほかにもパーフリングのヘリンボーン柄、白蝶貝のドットインレイをあしらった駒板、スペインの老舗メーカーフステーロ製の渋い糸巻き(トーレスモデル、ラウンドボタン)など外観におけるその雰囲気の再現はやはり堂に入ったところがあり、トーレスファンをうなずかせる出来栄えとなっています。

音響的にも、音像それ自体がまろやかなふくらみを持っており、タッチにまとわりついてくるようなトーレス独特の発音で、木がじかに震えるような生々しさとともにそれが立ち上がってきます。現代のギター(と言ってもマヌエル・ラミレス以降の)のような音が放射してゆくような感触ではなく、ボディがあくまでも自然に響くことを目指したような落ち着いた鳴り。その音響の性質としては古典的なニュアンスを湛えたものですがどこか冴えたところもあり、ベニートならではの現代性を感じさせます。そしてこれが曲を演奏した時に同様に古きよきものと現代をうまくブレンドしたような魅力的な味わいを醸し出しています。

表面板内部構造はサウンドホール上側に2本、下側に1本のハーモニックバー、同じくサウンドホールの両脇(高音側と低音側)には近接する横板のカーブに沿うように配置された各一本の短い力木。ボディ下部は左右対称7本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止めるようにV字型に配置された2本のクロージングバーという全体の設計。レゾナンスはGの少し上に設定されています。

表面板ブリッジ周りやボトム近くに数か所の打痕やスクラッチあとが見られますがその他は衣服の摩擦等による細かな傷のみとなっています。割れなどの大きな修理履歴もありません。ネックはやや順反りですが許容範囲内のレベル、フレットは適正値を維持しています。ネックシェイプは薄めのDシェイプ。弦高値は2.8/3.5mm(1弦/6弦 12フレット)、サドル余剰は1.5~2.0mmありますのでさらに低く設定することが可能です。

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