パブロ・サンチェス・オテロ 2018年製

パブロ・サンチェス・オテロ 2018年製

ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:表板 セラック /横裏板 セラック
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 3.5mm /6弦 3.8mm

〔製作家情報〕
1986年 スペイン北西部のガリシア州の美しい港湾都市ア・コルーニャに生まれる。
もともとは建築を学んでいましたが、机上での製図に終始する作業に飽き足らず、木にじかに触れることから生まれる仕事への興味が次第に増してゆきます。加えて音楽とその構造に対する深い関心は抑えがたくなり、何年か家具製作とデザインを学んだあと、2009年にバルセロナでJean Pierre Sardin のサマーコースでギター製作を受講。これを機に楽器製作を生業とする事を決心します。その後2009~2011年の2年間、美術工芸学校の古楽器製作のコースでヴァイオリンとルネサンスリュートの製作を学びます。そしてその間の2010~2012年の夏、シグエンサでの名工ホセ・ルイス・ロマニリョスの講習会に参加。そこでビウエラとスペイン伝統のギター製作法を、また楽器の修復技術についてのレクチャーを受講、彼にとって決定的な影響を受けることになりました。

その後スペインからイギリス、ノッティンガムシャーのニューアーク=オン=トレントに居を移し、同国のAdrian Lucas, James Listerらからもギターの製作を学びます。さらに2013年には居をベルギーのAmberesに移し、同地のLa Escuele Internacional de Luteria de Amberes(ILSA)にて楽器修復の学科を終了後、同校にて教鞭を執る傍ら本格的に製作活動を展開します。現在は工房を生まれ故郷であるスペイン、コルーニャに移し製作を継続。師ロマニリョスから受け継いだ、細部まで妥協を許さない繊細な造作、洒脱な意匠、トーレスを基本とするスペイン伝統工法に立脚した音色の魅力等は現在のスペインの若手の中でも静かに異彩を放っており、国内外で近年評価の高まりを見せています。

トーレスモデルをメインとするクラシックモデルの他、極めて個性的なデザインのブズーキ、マンドリン、ウクレレ、アコースティックギター等も製作。

〔楽器情報〕
トーレスモデル ‛OUIDA’No.23 2018年製Usedです。彼の公式カタログのなかで、クラシックギターのフラッグシップモデルとなっているのがトーレスモデル。1888年製のSE114に準拠した設計で作られていますが、ヘッドシェイプやロゼッタデザインなどの意匠は彼のオリジナルで、古典的な雰囲気を大切にしつつモダンなニュアンスも感じさせる外観となっています。

表面板のサウンドホールまわりや指板脇などに若干の傷があるほかは全体的に綺麗な状態を維持しています。ネック、フレットも適正値を維持しており、フステーロ製の糸巻きも動作に問題ありません。

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