新着 マヌエル・レジェス 1966年製

 

マヌエル・レジェス 1966年製ブランカモデルの入荷です。

ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦3.0mm/6弦3.5mm

[製作家情報] 1934年グラナダ、パジェーナ生まれ。10歳の時にコルドバに移住し、その後亡くなるまで同地にて製作。もとはフラメンコ・ギタリストであった彼が、ある歌い手から譲り受けたぼろぼろのギターを自ら修理するもののその仕上がりに満足できず、それならばと独学で自分のギターを作り始めます。その後はホアキン・サンチェス・ガリステーロの工房で助言を得ながら製作技術を磨き、1956年にはギタリストのぺぺ・マルティネスの紹介で、名工マルセロ・バルベロ1世との知遇を得ます。この稀代の名工との、亡くなるまでのわずか1年という交流がマヌエルに決定的な影響を与えたことは有名な話。そして24歳でコルドバの有名な観光地ポトロ広場に面した場所に独立して工房を開き、飛躍的に完成度を増していった彼のギターは評判になります。1979年には楽器製作に更に集中するためアルマ通り7番地の静かな環境に工房を移動。多くのギタリストが彼の工房を訪れそのギターを購入していきますが、1980年代に当時大人気ギタリストであったヴィセンテ・アミーゴが使用することでその名声がピークに達します。フラメンコに必要な要素を十全に備えながら、その繊細とさえ言える音色と表現力、造りの細やかさ、高度な演奏性などでクラシックギタリストからも高い評価を得て、20世紀後半を代表するフラメンコブランドとなりました。2014年に惜しまれつつこの世を去った後、工房は子息のマヌエル・レジェス・イーホが受け継いでいます。

[楽器情報] マヌエル・レジェス 1966年製 フラメンコ ブランカモデル 中古の入荷です。
レジェス初期の作にあたりますが後の高貴ともいえる音色の萌芽と言えるものがあり、またフラメンコギターとしての高度なクオリティをバランスよく備えている一本です。内部構造はサウンドホール上下に1本ずつのハーモニックバーと左右対称7本の扇状力木、その7本のうち両外側のそれぞれ2本の先端をボトム部で受けとめるクロージングバーという構造で、このクロージングバーの配置(通常は全ての扇状力木を受けとめるような位置に配置される)は師であるバルベロ1世の影響が見て取れます。レゾナンスはF#~Gに設定されています。

表板、横裏板ともに複数の割れ補修履歴がありそれぞれボディ内側よりパッチ補強がされています。横板のエンドブロック近い部分は恐らく過去に落下等による破損のため割れの埋木補修がされています。その他はおもに干割れによる補修跡のようですが一部広範囲に及ぶものや、板が薄くなっている箇所もあります。現時点では必要な修理は全て施してありますので使用上の問題はありません。フレットやや摩耗ありますが演奏には差し支えない程度のもので、ネックも正常な状態、その他演奏性に関わる部分での問題はありません。糸巻きはGotoh 35G1600に交換されています。

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