新着 中野 潤 2016年製 サントス・エルナンデス モデル
中野 潤 2016年製 サントス・エルナンデス モデルが入荷しました。
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ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:アレッシー
弦 高:1弦 2.6mm/6弦 3.9mm
〔製作家情報〕
1966年 長野県松本市生まれ。 1989年メキシコに留学した折、サンミゲルの地でギター製作家のルシオ・ヌーニョス氏と出会い、製作を志す様になりました。その後1992年より石井栄氏に師事。1996年にはスペインに留学してグラナダにてアントニオ・マリンに師事、 帰国後に独立し、松本に自らの工房を開設しました。独立後はグラナダの伝統的な工法を用いた製作を開始し、その後も再度渡欧してホセ・ルイス・ロマニリョスのマスタークラスにも参加。
極めて正統的な工法や造作への嗜好と、スペインの巨匠達を通じて体得してきた技術とが自身の審美センスと融合し、国内では最高レベルと評価の高いトーレスモデルをはじめとする素晴らしいモデルを作り上げてきました。ジャン・マリー・レーモンや村治佳織などギタリストからの信頼も厚く、あくまで伝統的な音響に拘りながらも、コンサート環境でのパフォーマンス力も同様に高い評価を得ています。
〔楽器情報〕
中野潤 製作 2016年製サントス・エルナンデスモデル Usedの入荷です。
トーレスやブーシェなどその威容までも再現したような迫力に満ちたレプリカモデルを世に出し、プロギタリストからも高い評価を得ている中野氏の、やはり素晴らしく力強いサントスレプリカです。
レプリカとは言え単なるコピーに堕すことを常に自らに禁ずるこの製作家らしく、サントスという名品をもとにして自身の嗜好とダイナミックに融合させたようなほとんどクリエイティブな一本となっています。木の感触をじかに感じ取れるような繊細なセラック塗装で仕上げられた外観は存在感があり、音も外観と似て木質の乾いた明るい響き。その高音成分の多い、高く抜けるような音響はどこかスペインのグラナダスクールを想起させます。その乾いた響きの中にはしっかりとロマンティックな表情の変化があり、また柔らかなエコー感を伴った発音は程よい余韻を生み出し耳に心地よい。高い音圧の、非常に豊かな鳴りで、現代のコンサートギタリストにニーズにも十分に応えうる高い演奏性、ステージでのパフォーマンスの高さを有していることも特筆に値します。
内部構造はサウンドホール上下に一本ずつのハーモニックバー、ネックブロックとハーモニックバーとの間に1枚の補強プレート、ボディ下部は左右対称7本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止める2本のハの字型のクロージングバーという配置。レゾナンスはF#の少し下というやや低めの設定になっています。重量は1.73kg。
印象的なロゼッタデザインはここではミゲル・ロドリゲス1世デザインのものを採用、黒を基調としたボタニカルなデザインと象嵌の精緻な造作は中野氏ならではでしょう。表面板サウンドホール高音側にスクラッチガードの脱着あとがわずかに残っていますが、その他は傷も少なくきれいな状態です。割れなどの大きな修理履歴はありません。ネック、フレット、糸巻き等の演奏性にかかわる部分も問題ありません。ネック形状は普通の厚みのDシェイプ、弦高の現在値は12フレット上で6弦3.9mm、1弦2.6mmで適正な設定値で弾き易い感触になっていますが、サドルには2~3mmの余剰がありますのでさらに弦高を低く調整することも可能です。
年間製作本数僅かの寡作家、貴重なUsedでの入荷です。
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