新着 アントニオ・マリン・モンテロ 1992年製 Modelo E

アントニオ・マリン・モンテロ 1992年製 Modelo Eが入荷致しました。

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※ただし販売済の楽器は該当ページが表示されませんのでご了承ください。

ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラックニス
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.6mm/6弦 4.0mm

〔製作家情報〕
1933年スペイン、グラナダ生まれ。家具職人として出発し、のち1959年より同地の製作家エドゥアルド・フェレールの工房に入り製作を学びます。1961年には同工房出身のマヌエル・ベジードとともに共同の工房を立ち上げ、まずはキャリアをスタートさせます。その後独立し製作家としての評価も高めてゆきますが、1977年にある日本人発明家の紹介でフランスの名工ロベール・ブーシェ(1898~1986)との知遇を得て、その作風を大きく変化させていきました。このフランス最大の巨匠はマリンの非凡な才能をすぐに見抜き、その後自身がグラナダに赴いたりまたマリンをフランスに招くなどして親身にギター製作についてのアドバイスを与えています。もともとアンダルシア地方色の濃いギターを製作していましたが、ブーシェとの邂逅を機に、より楽器としての芸術的普遍性の高さを追及してゆきます。音響と造作の両方に於いて、比類ない高みに達したギターはグラナダを代表する名品として現在不動の評価を得るに至っています。また氏の人柄を慕って現在では世界中から若き才能がグラナダに集まるようになり、氏の名前を冠した国際製作コンクールが開催されるまでになりました。もうすぐ90歳を迎えようという現在も甥のホセ・マリンらと現役で製作を続けています。スペインギター製作界最高のマエストロにして最長老の一人。

〔楽器情報〕
アントニオ・マリン・モンテロ1992年製作のブーシェモデルで、現在では「Modelo E」(ブーシェレプリカ)とされているものと同型となります。
文字通りロベール・ブーシェ的エッセンスをマリン的に再構成したような素晴らしいモデルで、通常のブーシェモデル(Modelo B)と並んで非常に人気が高く、このブランドのフラッグシップモデルとなっていると同時に、グラナダ派全体をも代表するモデルにさえなっています。スペインギターの中でも傑出した豊かな鳴り、弱音から強音までのダイナミクス、響きの持続、そして反応の速さなどは比類がありません。いかにもグラナダらしい木質の響きはクラシック音楽に必要な明暗のニュアンスを十全に備えており、その表情の深さこそ名品とされる理由でしょう。製作から30年を経た本作は、しっかりと弾き込まれてきたことによる熟成からか、出荷されたばかりの時の解放感とスピード感とは趣を異にし、渋く落ち着いた響きが特徴となっています。音は上品な艶を纏い、繊細な表情の変化がとても魅力的。各音がしっかりとキャラクターを持っているので、演奏においては各声部のニュアンスが際立ち、ポリフォニックな構成感を自然に出すことができます。

内部構造はサウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)1本のハーモニックバーを配置し、下側の方のバーは高音側と低音側に4~5cmほどの幅の開口部が設けられています。そして5本の左右対称の扇状力木が、ブリッジと同じ位置に横幅いっぱいに設置されたいわゆるトランスヴァースバーを貫通してボトム部まで伸びているブーシェ特有の配置を踏襲。トランスヴァースバーは両端の数センチだけが表面板に接着され、あとはおよそ1㎜程の高さで開口部が設けられており、これは現在の同モデルの仕様と異なります(現在のモデルはバーが完全に表面板に設置されています)。レゾナンスはAの少し下に設定されています。

全体に細かな弾き傷と大小の打痕、表面板ブリッジ下に弦とび跡があります。ネックはわずかに順反りですが設定としては標準の範囲内に落ち着いています。フレットは1~4フレットでほんのわずかな摩耗ありますがこちらも現状で演奏性に影響はございません。塗装はオリジナルのオールセラック仕上げ。

 

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